うつ病でアルコール依存症:人生終わった男の闘病記・体験談

閉鎖病棟の体験談から、アルコール依存症・うつ病の闘病記。
2児の父が急にうつ病で倒れた。酔いにまかせて仕事にいくも今度はアルコール依存症だと。
家族から精神病院に何回も入院させられ、断酒に挑戦するが失敗。抗うつ剤、睡眠薬はいまだかかせず・・・・・・

うつ病、アルコール依存症にならないよう、みなさんのお役にたてればと思います。

カテゴリ: 断酒会・家族体験談ゴーストライター編

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※断酒178日目


断酒会の家族体験談を

アルコール依存症者本人が書く


僕はアルコール依存症のため、毎週通っている「断酒会」という、アルコール依存症者本人、または家族が集まる会がある。

断酒会
フリー素材いらすとやより引用

そこでは年に数回、「断酒会だより」なる学級新聞のようなものを発行している。

アルコールでいろいろ悲惨な人生経験をした人達の経験談をのせて、読んでもらうのだ。

そろそろ次の“断酒会だより”を発行するという。

そこで断酒会から「家族体験談」を書いてくれないか、と嫁さんに打診があった。


嫁さんは

言いたいことが山ほどあるけど、文章が書けん

と言った。

ぼくは

「アンタの今までの気持は知っているから、なんなら書いてやろうか?」

と言った。

と、いうことで「アルコール依存症である本人がアルコール依存症の家族の体験談を代筆する」、という変な事になってしまった。


とりあえず、軽くエッセイ風に綴ってみよう。

「アルコールが取り持つ縁、アルコールが壊す縁」というタイトルにしてみようか。


僕と嫁さんはバーで酒がらみで知り合い、そして結婚した。

しかし、酒のせいで家族が崩壊していく。


そういうストーリーにしよう。

いや、ノン・フィクションだ。


以下、簡単に綴ったのがそれだ。


〇アルコール依存症・家族体験談


●女


私は、27歳独身女性。

市民病院の、看護師をしている。


彼氏は・・・・・・居るには、居た。

医者だった。

でも、遠距離恋愛だった。

・・・・・・逢いたい時に逢えない。

そういう辛い恋愛をしていた。

私は、なかなか縮まらない彼との距離に、いつか実るのだろう恋愛に、わずかながらの希望をたくし、日々を過ごしていた。


彼は東京都内の某有名病院に勤めていた。

だから、地方に出張の時だけしか、逢えない。

総合病院
フリーフォト足成より引用


・・・・・・こういうのまさか、現地妻っていうのかしら。

たまには、東京に逢いにもいってみた。


彼の家では、私の第六感がわずかに、なにか敵対的な嫌なものを感じる。

私以外の女性の陰を、わずかだが感じる。

それを問いただす勇気は私には無かった。

すっきりとした気分ではなかった。


愛と疑心の感情に、交互に胸をからめ締められるこの生活は、

「私自身の存在は何なのか」

自問自答を繰り返す日々を過ごさせた。


週末は、大好きなバーへ、いつも女友達と出かける。

カウンターがあって、踊る空間があって、客の半分は外国人だ。

バーとクラブの中間のような、店だ。

ハード・ロックやバラードがかかると、外国人たちカッコ良く踊りだす。

・・・・・・私も、あんなふうに踊れたらいいのに。

私はどちらかというと、恥ずかしがり屋なほう。

あんなふうに踊るなんてできない。


DJバー クラブ ロックバー
CLUBLOG・R&B好きクラブジャンキーのクラブの歩き方サイトより引用


夜中もすぎると、音楽はスティングやボブ・ディランなど、しっとりとしたものに変わっていく。

あちこちのテーブルに、即席カップルたちが肩を寄せ合って話をしている。

私も誰かステキな人と、そうしたい・・・・・・。


でも、連れは女友達ばかりだ。

私は、酒はそんなに好きではない。

しかし、ワインボトルの一本くらいは空けることが出来る。


とうの昔に出来上がっている連れの女友達と私は、しかたなく「イイ男」チェックをする。

ちょっとキアヌ・リーブスに似た感じの、アレンっていう男性とは友達だ。


・・・・・・ちょっと、好み。


でも、彼女が居るのか、私は口説かれたことがない。


・・・・・・容姿には、少し自身があるのにな。バストも外国人好みにはあるんだから。


今晩もアレンは居た。

声を掛けて、逆ナンしてみようかしら。


そういえば、カウンターに、色白で背が高いんだけど、か細い、そこそこの顔立ちの日本人男性が、今日も独りで片手にグラスを傾けていた。

・・・・・・彼もワリと好みのタイプなんだけど。 ちょっとだけ気になる。

〇うつ病の男性


●男


ぼくは29歳、会社員。

何年か前、仕事で、残業250時間を越える、徹夜につぐ徹夜、それが半年も続くという、仕事地獄を味わった。

そのせいで、僕の交感神経と副交感神経は故障し、夜眠れなくなった。

いつも気分が沈み、ボーっとして、生きているのが辛かった。


会社の勧めで、精神科病院を尋ねると

「立派なうつ病です」

と診断された。

それから毎日、抗うつ剤と睡眠薬を服用する日々が続いた。

現在、広く知られているうつ病も、当時の世間ではあまり一般的に知られていなかった。


会社に行くのは行っていたが、辛くて全く仕事にならなかった。


夕方、定時になると会社を出て、いつものバーに駆け込む。

そこで、顔なじみのマスターに

「いつもの、強いの」

と頼む。

マスターは、ウォッカやらジンやらで、かなり強めのヤツを作ってくれる。


画像20190216カクテル
フリーフォト足成より引用

僕はポケットからサイフを取り出し、700円を渡す。

その、強めのやつを一気に喉に流し込む。


強いアルコールが胃粘膜で吸収され、焼けるような感覚と共に、辛さがスッと消えていく。

・・・・・・これでいいんだ。


僕は今、何のために生きているのか分からなかったが、“この瞬間”のために生きている、と言ってもいい。


しばらくすると、アレンという外国人が店にやってきた。

キアヌ・リーブス似のイケメンで、背が高い。

そのくせ彼は、ワリとフランクな性格で、ここのバーでは人気者だった。


僕はよく彼と、雑談をしていた。

トイレですれ違った時に、声を掛けようと思ったが、まあ、また後にしようと、その日は結局話をしなかった。


しばらくすると、彼は店を出て行った。

その彼があんなことになろうとは、思いもしなかった。

声を掛けとけば、と後悔した。

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※断酒180日目

(つづき)

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「断酒会」という、アルコール依存症者本人、

または家族が集まる会


そこで「断酒会だより」なる学級新聞のようなものを発行している。

家族体験談」を書いてくれないか、と嫁さんに打診があった。

嫁さんは「言いたいことがたくさんあるけど、文章が書けん」とのこと。

ぼくは「なんなら書いてやろうか?」と言った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・つづき


●男

しばらくすると、アレンという外国人が店にやってきた。

キアヌ・リーブス似のイケメンで、背が高い。

そのくせ彼は、ワリとフランクな性格で、ここのバーでは人気者だった。


キアヌ・リーヴス
ひたすら映画を観まくる日記アルティメット・エディションサイトより引用


ぼくは日本語が堪能な彼と、雑談をしていた。

トイレですれ違った時に、声を掛けようと思ったが、まあ、また後にしようと、その日は結局話をしなかった。

しばらくすると、彼は店を出て行った。

その彼があんなことになろうとは、思いもしなかった。

声を掛けとけば、と後悔した。


●女

今日も、いつものロック・バーに女友達と訪れた。

あいかわらず、外国人が多い。

・・・・・・今日は、アレンの姿を見ない

ちょっとがっかりした。

女友達が、他の人から伝え聞いた。


なんと、昨晩、アレンはバイクで事故ったって。

店を出て、ひとりバイクに乗って国道を走った。

交差点で車につっ込み、即死だったと。


・・・・・・あ~あ、もったいない。 あんなイイ男、めったにいないのに。


昨日、逆ナンしておけばよかった。

〇バイクで酒気帯び運転で事故死


●男

アレンが死んだ?


・・・・・・本当なのか。


バーの仲間は皆、口をつぐんでその話題を避けているようだった。

酒気帯び運転でバイクで帰宅中、交差点で車にぶつかり即死だったそうだ。

バイク事故 警察 パトカー


・・・・・・しまった。 昨日のトイレで、声を掛けておけばよかった。

そうすれば、30秒、もしくは1分ほど帰宅時間がずれて、その車とは接触しなかったハズだ。

声を掛けなかったことをかなり後悔した。

気分転換に女にでも声を掛けてみるか。


●女

バーの一番奥のイスで、女友達と談笑していた。

ふと、顔を顔を上げると、目の前に、彼が立っていた。

いつも、カウンターで独りで飲んでいる、色白で高身長だがヤセ型の、彼。


酔っているのか、上機嫌で話をしてきた。

酔ってはいるが、乱暴ではなく、優しい口調だった。

電話番号とメールアドレスを交換した。(注:当時ラインはまだなかった)


・・・・・・よし。


思っても見ない収穫だった。


●男

こんなにうまくナンパできるとは思わなかったな。

珍しいこともあるもんだ。

彼女は、看護師とかいってたな。

前妻とはうつ病が原因で離婚している。

ぼくのうつ病の事が彼女バレたら嫌だ

ここは隠しておこう。


帰宅して、“もしかしたらナニかあるといけない”と思い、小汚い僕の部屋の掃除をしておいた。

彼女に連絡を取ってみると、「明後日なら空いている」とのこと。

デートの約束を取り付けた。

待ち合わせ場所は、いつものバーだ。


●女

彼から連絡があった。

「一緒にご飯を食べないか」

というものだった。

・・・・・・うん、いいね。

まんざらでもなかった。

男から誘われるっていうのは、誰でも気分が良いものだ。

しかもちょっとだけだけど、気にはなっていた男性。

勤務表を確認して、「明後日ならOK」と返事をした。

さて、どんな服を着ていこうか。


●当日になった


〇うつ病を隠すため、酒を飲む


●男

ぼくはバーで、先に始めていた。

ぼくはうつ病なので、いつも疲れており、テンションが低い。

これは、彼女に悟られてはダメだ。

いつもの強いの」をマスターに頼み、一気に空けた。


焼酎 強いアルコール
フリーフォト足成より引用


胃が熱くなり、アルコールが体中にしみわたる。

辛い気持ちが消えていき、陽気な気分が膨らんでくる。

もう一杯、「いつもの強いの」をマスターに頼んだ。


それから、1時間ほど、飲んでいた。

聞いたところによると、彼女の勤務先はココからかなり離れているらしい。

かなり酔ったところで、店の入り口のドアが開き、彼女が現れた。

今日は、彼女は、一人きりだった。


・・・・・・どのくらい飲んだだろうか。


彼女も、ぼくも、かなり酔っていた。


そろそろ、かな。

家に来ないか」と誘った。

彼女は、頭を小さく縦にふった。


・・・・・・やった。


僕たちは店を出て、タクシーを拾い、僕の家に向かった。

その晩、ぼくたちはひとつになった。


●女


目を覚ますと、そこは知らない部屋だった。

ふと気がつくと、一緒のふとんに、彼が寝ていた。

かすかに、昨夜のことが思い出された。


・・・・・・ああ、そうだった。


これが、恋愛ね。


もう、やめよう、と思った。

東京の彼とは、もうやめよう。

私の今までの、実ることに微かに希望を置く、トンネルの真っただ中に居るのに出口の光がまったく見えない、そんな生活。


もうやめよう。

遠くのフランス料理店より、近くのラーメン屋だわ。


隣に寝ている男、童顔で色白で頼りなさそうだが、見た目だけはいい。

こっちに賭けてみようかな。


その「決断」が、彼女の人生が狂い始めた瞬間だった。

だが彼女はまだ、気付いてはいなかった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

〇断酒体験用の原稿を嫁さんにチェックしてもらう


う~ん、前半の酒が取り持つ縁」は、こんなものかな。

あとは、「酒が壊す縁」、アルコール依存症旦那との苦労ばなし、ぼくが人生を転落していく話、断酒体験をつづっていこう。


ここまで書いて、嫁さんに印刷した原稿を見せてチェックしてもらった。

嫁さんはさらっと目を通すと、原稿を丸めて放り投げた。


ドアホ! 赤裸々に何を書いとんじゃ!

生々しすぎるんじゃバカ ボケ ハゲ!


「え・・・・・・『ハゲ』はあんまり関係なく・・・」


うるさい! ハゲハゲハゲ!

だいたいアンタねえ、初めての時、ぜんっぜん勃たなくて

まったく役に立たんかったじゃろうが! アホ ボケ!


・・・・・・う

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※断酒181日目

アルコール依存症の断酒会 家族体験談


「断酒会だより」の原稿を嫁さんの気持ちになって書いてみた。

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しかし、罵声をあびせられた。

原稿は丸めて捨てられた。

どうも前回の代筆、嫁さんはまったくお気に召さなかったらしい。

あんな出来事、思い出したくもないわ。記憶から消去しとったのに

と怒ってる。


しょうがない、嫁さん視点のみで「アルコール依存症の家族被害」的な書きモノにしよう。

嫁さんが、酒飲みの旦那でいかに苦労したかをつづっていこう。


アル中被害者の思いがこうであっただろうと、嫁さんの立場にたって書きなおした。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


〇結婚1年目、初めての出産


初めての、出産。

娘が、産まれた。

29歳だった。

・・・・・・30歳までには子供が欲しい。

そう思っていた私は、有頂天になった。


しかし、現実は真逆だった。

夜中の2時間おきのミルクやり。

おしめ交換。

毎日、毎日、毎日、毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日、寝不足が続いた。


また、泣く。


またまた、泣く。


またまたまた、泣く。


のどが乾いてるのでもない、お腹がすいているのでもない、おしっこでもない、暑くもない、寒くもない。

だっこもしてあげてる。

なのに、ナナ、どうして泣くの?


赤ちゃん 長女


旦那は、いつも夜遅くに帰って来る。

仕事が忙しい

といつも言っていたが、夜中に帰って来る旦那の息はいつも酒臭かった

仕事なのかどうだか分かりゃあしない。

千鳥足で帰宅する事もあった。

仕事帰りに少し飲んだって、千鳥足にはならんやろ。

絶対、飲み屋でたくさん飲んできたはず。

飲み屋街 酒
フリーフォト足成より引用

少し早目に帰ってきてくれるだけで、ナナをちょっとだけ見ててくれるだけで、すごく助かるのに。

お茶碗をちょっと洗ってくれるだけで、いや洗濯物をたたむのでもいいわ、それだけで、ほんとうに気が楽になるのに。


私は心がノイローゼ気味になっているのを自覚するようになってきた。

1か月ほどたったある日、あいかわらず泣き続けるナナを抱きかかえながら、片手で洗濯物を干していた。

8階のベランダから、ふと下を見下ろした。


・・・・・・ここから、2人で飛び降りようか。そうしたら楽になる。


何かを感じたのか、ナナが泣きやんだ。

やっとモノが見えてきたぐらいの、彼女のつぶらな瞳が、ウチの目をじっと、見つめていた。

「飛び降りよう」という思いを、黒板消しで急いで消した。


〇2年目、子どもの成長は早い


ナナが2歳、3歳と成長するにつれ、だんだんと育児が楽になってきた。

自分でスプーンを持って、食事を食べる。

テーブルはぐちゃぐちゃになるが、後片付けはしょうがない。

ひとりでトイレにいく。

お尻は拭いてやらなきゃならないが、しょうがない。


長女 2歳


旦那とナナが仲好く風呂に入る。

とりあえず、風呂から出てくるまでは、安堵の時間だ。

旦那も、休みの度に、ナナを公園で遊ばせるようになった。

相変わらず「飲みながら」ではあるが。


旦那は、モノ好きなのか、料理を作る。

趣味が高じて、休日の晩飯は旦那が作る。

しかも、ワリと美味い。

相変わらず、また「飲みつつ」料理をしているが、ウチが晩飯を作らなくて済む。

まあ、そこだけは許してやろう。


〇5年目、借金が発覚し離婚を考える


借金がある

・・・・・・な、なんだって。


結婚して5年目。

ナナも保育園に行きはじめ、そこそこの生活はしていた。

ただ、何をするにも、ダンナが「酒を飲む

そこが、唯一気にはなっていた。

「仕事で遅くなる」

そう連絡があっても、いつも飲んで帰ってくるのは明らかだ。

千鳥足で階段を上がってくる音。

酔っ払っているのはすぐに分かる。


渡した小遣い以上に飲むため、クレジットカードで支払いをしたらしい。


借金 クレジットカード
フリーフォトPAKUTASOより引用


その支払いをごまかすため、他の金融にも手をつけたらしい。

その法外な利子が膨れ上がり、数社にまで及んだらしい。


ウチはすぐ「離婚」を考えた。

こんなグウタラで甲斐性なしの酒飲み亭主なんか、捨ててしまえばいい。

その方が、人生楽なんじゃないか。

しかし、保育園に通っている娘のことを考えたらどうか。

物心がつかないうちから、父無し子にするのはどうか。

苦渋した・・・・・・。

苦悩した・・・・・・。


ウチには、独身時代から蓄えていた貯金が、数百万円はあった。

それをいくらか手放せば、なんとかなる。

でも、こんな男のために、私が苦労して貯めた金を使うのか。

何のために頑張って貯金をしてきたのか。

しかし、今、考えなきゃいけない事は、大事な娘の事だけだ。

金を、手放そう。


サラリーマンで、いつもサラサラヘアの旦那が、突然頭をボウズにした。

まるで野球部員のような、5分刈りだ。

反省のつもりだろうか。


・・・・・・みっともない。こんな事するなら、飲まなきゃいいのに。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

前半はここまで。

つづきはまた明日、ご愛読よろしくお願いします。

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※断酒182 日目

アルコール依存症の家族・酒害体験談


どうも前回の代筆は、嫁さんはまったくお気に召さなかったらしい。

ならば、嫁さんが酒飲みの旦那で「いかに苦労したか」をつづっていこう。

アル中被害者の思いがこうであっただろうと、嫁さんの立場にたって書きなおした

前話クリック
  ↓

(つづき)


〇8年目、チャンピックスで禁煙をはじめる


最近、ダンナは、飲み屋に行く回数はめっきり減った。

あの、借金事件以降、反省はしているのだろう。

その代わり、会社の同僚と毎日、公園かどこかでワンカップ一杯だけ飲んで、ダベって帰るらしい。

・・・・・・みっともない。

まあ、ストレスも溜まるんだろうから、そのくらいは、許してやるか。


旦那はボクシング・ジムに通っている。

色白でひょろっとした長身の旦那は、なぜか「ムキムキ・マッチョ」に憧れているらしい。

ウチは今のままでいいと思うのに。


ボクシング 禁煙
フリーフォトPAKUTASOより引用


スタミナがどうにもつかん。禁煙する

そういって旦那は、会社の診療所からもらってきた「チャンピックス」という名の禁煙薬を飲み始めた。


どうやらボクシング・ジムで打ち合うのに、若者にスタミナ負けするらしい。

・・・・・・もう、ボクシングなんか止めたらいいのに、いい年してバカみたい。


でもまあ、禁煙は良い事だ。

ぜひ成功してほしい。


チャンピックス 禁煙薬
チャンピックス Wikipediaより引用

初めの1週間は、タバコを吸っても良いらしい。

2週目からは、禁煙だそうだ。

旦那が言うには「脳のニコチン受容体に作用して、ニコチン・ガムとかパッチより、楽に止められる」らしい。

なんだか良くわかんないけど。

・・・・・・ふうん、ホントに吸ってないわ。


様子を見てみるが、辛そうではない。

・・・・・・禁煙できたら、小遣い減らしたろ。


内心、ほくそ笑んでいた。


3週間ほど経ったある日、最近にしては珍しく、旦那がぐでんぐでんに酔って帰って来た。

「・・・・・・会社のプレゼンテーションで、急に頭が真っ白になって、手足がガクガク震えてパニックみたいに・・・・・・」

なんか訳の分からない事を言っている。

・・・・・・どうせまた、酔ってるんでしょ。


次の日の朝。

旦那が布団から出てこない。

「調子が悪い」という。


うつ病 起きられない
フリーフォト足成より引用

それって、またいつもの二日酔いのサボりでしょ。


その次の日の朝。

また、旦那が布団から出てこない。

酒くさい。

アンタ、エエ加減しんさいよ、会社には電話したんね!

叱り飛ばした。

うつっぽい

・・・・・・は。

何ソレ。うつ?

そりゃ、旦那が若かりし頃、うつ病を患ったのは知っているが。

どうせサボりでしょ。

この感じは、10年前の、あのうつ病の感じだ。精神科にいってくる

旦那が、あまりにも真剣に言うもんだから、そうさせた。

“チャンピックス”という禁煙薬でうつ病になった患者が他にもいるそうだ。

返ってきた旦那が「医者から聞いた」と言う。

旦那は、抗うつ剤と安定剤と睡眠薬、それにまた、酒をあおってベッドにもぐっていた。


〇精神科を受診した


旦那は、医者から酒を止められていたらしい。

理由は、アルコールがうつ病を悪化させるとのこと。

だが旦那は病気が苦しいのか、それから逃げるためか、毎日、酒をあおっていた。

会社にもずいぶん行っていない

・・・・・・クビになるんじゃないの?


一抹の不安を覚えたウチは、旦那と一緒に無理矢理、その行きつけの精神科へ訪れた。

少々の問診の後、医師が旦那に言った。

「あなたは、アルコール依存症になっています。

 このまま行くと、会社をクビ、離婚、挙句の果てに平和公園で段ボールの孤独死ですよ。

 酒をやめれば、うつ病も治り、家族と共に人生を歩んでいくことが出来ます

 さあ、あなたはどっちを取りますか?


 『家族』を取りますか。

 それとも、『』を取りますか。


 さあ、どっち?」


酒 アルコール
フリーフォト足成より引用


・・・・・・なんて状態なの、この人は。

旦那は、消え入るような声で、「家族」と言った。


〇精神科に入院


早速、医師は知り合いであろう、精神病院の院長に電話をしていた。

受話器をガチャリと置くと、振り向いた。

「A病院という精神病院なら、ちょうど今、ベットが空いているそうです。

 地図を描きますので、今から行ってみてください。」

そういわれてもらった地図は、なんというか、「道があって川があって北に上ってどこかを右」みたいな、どこかの幼稚園児が描いたようなちゃちなモノだった。

うつ病の旦那も、それを見て吹き出してした。

・・・・・・ウチらよりよっぽど頭が良い精神科医も、画はヘタクソ。

そのヘタクソな地図に悪戦苦闘しながら、やっと「A病院」に到達した。

そこは、広島市のとある町の、「みくまり峡」と呼ばれる自然公園のふもとに位置していた。

山と小川、花と自然に囲まれた、わりと広い敷地の病院だ。

初めて訪れた精神科病院に、ドキドキした。

・・・・・・ウチが看護師研修でいった精神病院、鉄格子とか腕を縛られた患者とか、そんな世界かしら。


院長の診察のあと、入院手続きを行った。

案内された病室は、通常の病棟とは違って「うつ専用ユニット」というエリアだった。

通常の、カーテンで仕切られた6人部屋のような病室ではなく、まるでちょっとしたビジネスホテルのような個室だった。

テレビ、冷蔵庫、洗面所、クローゼットが完備され、茶色のフローリングとクロス張りで落ち着いた雰囲気だった。

個室料は1日2,000円

格安だ。


すぐに入院させた。

「着る物とか、歯磨きとかは明日、持ってくるから。」


ウチは勤務先の看護師長に電話をして、休みの許可をもらった。

・・・・・・ほんっと、情けない思いばかり。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

〇酒害体験談の半分くらい書き上げたら



前半部分は、こんなもんかな。

後は入退院を繰り返す旦那に対しての、嫁さんの恨み辛みを書きつづれば良い。


僕は書き上げた原稿を印刷し、嫁さんに手渡した。


嫁さんはさらっと目を通すと、また原稿を丸めて放り投げた

ドアホ! 甘すぎるんじゃ!

ウチの思いはこんなもんじゃないわっ!

アンタなんかを許したことなんか、一度もないんじゃ!

バカ、アホ、ハゲ!!


妻 嫁 怒り
フリーフォト写真ACより引用


「え・・・・・・ハゲはあんまり関係な・・・」


やかましい! ハゲハゲハゲ! 

うちはアンタなんか死ねばいいと思っとったんじゃ!

知っとるじゃろう! ボケ!


「わかったわかったわかったわかった。もっと強烈に恨み辛みを書けばエエんかいな


「あたりまえよドアホ! 後頭部ハゲ!」


・・・・・・う。

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※断酒183 日目

〇アルコール依存症の家族、酒害体験談


どうも、僕の代筆は、嫁さんの感情を正確に表現してないらしい。

しかも、僕が苦心してゴーストライターをやってるのに、逆に激怒している。

原稿を書く度に、「アホ ボケ ハゲ!」という罵声が毎回が飛んでくる。

原稿を放り投げ捨てられる。

原稿 投げる
フリーフォトPAKUTASOより引用

なんてこった。

わかった。

こうなりゃもう、これぞとばかりに書いてやる。

書きなぐってやる。

この、人間としてクズでアホでどうしようもない、肥え溜めの中のクソのようなぼくの姿を、書きなぐってやる。


これを「断酒会だより」に載せてさらけ出して、みんなで読めば良い。

読め、読め、みんな読んでしまえ、どうせ僕がやらかしたことだ。

僕が悪いのだから。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

〇アルコール依存症の家族・酒害体験談、嫁の体験


うつ病だと診断された・・・・・・。」

ある冬の日、調子が悪そうな旦那が、精神科クリニックへ出かけていった。

そして帰ってきて、そう言った。

もともと大酒飲みだった旦那は、その日から、ベットに伏せって出てこなかった。


うつ病で起きれない
フリーフォト足成より引用

部屋は酒の臭いが充満していた。

会社には連絡したのだろうか、出社をしなくなった。


次の週、会社に行かない彼をムリヤリ引き連れて、そのクリニックの医師に相談した。

どうやら旦那は、うつを悪化させないように酒を止められていたらしい。

それでもうつが辛いせいか、飲み続けていたらしい。

医師は言った。

あなたはアルコール依存症になっています。

酒をやめて、仕事と家族と幸せな一生を送りますか?

それとも、このまま酒を飲み続けて、離職、離婚し、平和公園でダンボールに包まって生活しますか?
 
さあ、どっちを選びますか

うつで弱り果てていた旦那は、小さな消え入るような声で「家族・・・・・・」と答えた。

〇うつ病で入院


それから旦那は、府中みくまり病院という精神病院へ2ヶ月ほど入院した。

いくらか元気になって帰ってきた。

ちょっと早すぎるのではと思ったが、彼はすぐに復職した。


予想は当たった。

復職して3ヶ月も経たないうちに、彼はまた、酒に手をつけた。

まるで階段を転げ落ちるように、旦那の表情からみるみる生気がなくなっていった。

うつ病が悪化したのだ。

また、精神病院へ再入院した。


精神病院 府中みくまり病院
府中みくまり病院HPより引用


こちらは、小学生と幼稚園の娘がいる。

私の職業は看護師。

ただでさえ忙しい仕事に、育児に、さらに病気の旦那の世話までするなんて、たまったものじゃない。

こちらが気が狂いそうだった。

生命保険はちゃんと支払われる。

できれば帰ってきてほしくなかった。

ずっと入院しててくれ。

顔も見たくない。

こんな大酒飲みで甲斐性なしの旦那と過ごすのがとても苦痛だ。


2ヶ月後、彼は退院してきた。

また、表情は元気になっていた。

今度こそ、断酒を続ける」と彼は約束した。


会社のほうも今回は慎重になっていて、断酒の継続が確認できるまでは、復職できないそうだ。

一応、断酒は続いているらしいが、こちらとしては、彼がいつ再飲酒して崩れるのか、気が気でなかった。

何かに脅えるような日々を過ごした。

苦しい。

〇アルコール依存症で入院


そしてその後、再飲酒を繰り返し、厚生病院に入院中に飲酒し、強制退院させられた。

そしてすぐ、瀬野川病院という広島一の精神病院の閉鎖病棟に入院した。

・・・・・・バカじゃないの

頼むから、氏んでくれ。


ほんっと、バカじゃないのかと疑う。

あれだけ酒で迷惑をかけておいて、さらに酒で入退院を繰り返す。

マジで、氏んでしまえ。


退院してしばらくしたある夏の夕方、「警察」から電話があった。

警察・・・・・・。

黒く嫌な予感が胸の中、いや身体全体に広がった。

「旦那さんが酔っ払って保護されているので連れに来て欲しい」

とのことだ。

〇警察に保護される


やりやがった! あんちくしょう。

・・・・・・マジでコロしてやる!

母と一緒に、警察署にむかった。

到着して、生活安全課の担当の人に事情を聞いてみた。


警察官 留置所
フリーフォト写真ACより引用


どうやら、酔っ払ってフラついてさ迷っていた旦那を見た人が「不審者がいる」と通報したそうだ。

生活安全課の人は「なんなら、精神科に措置入院するようにしますが」と、親切に言ってくれた。

また入院・・・・・・コイツなんか刑務所にブチ込んでしまえ、とも思ったが、母が「もうちょっと考えさせてくれ」というので、その日は連れて帰ることにした。


その後数日、旦那は部屋に閉じこもって飲んでいるようだった。

食事の時のみ、部屋からでてくる。

ある日、いくら呼んでも返事が無い。

部屋に入って、声を掛けても、身体をさすっても、顔を叩いても起きない。

意識が返ってこない。

・・・・・・またやりやがった。 コイツ、何か薬を大量に飲んで、さらに酒を浴びやがったな!

そのまま放置して氏んでもらっても、まったく構わない。

と、思ったが、家の中で死んでもらっては面倒くさい。

どうせ氏ぬのなら、トラックか何かにパンッと引かれて、生命保険をがっぽり頂くのが良い。

父と母、3人がかりで死体のような旦那を車に担ぎ込み、救急対応をしている瀬野川病院の閉鎖病棟へぶち込んでやった。

・・・・・・離婚

〇旦那がアルコール依存症で離婚したい


慰謝料も養育費もいらん。一生出てくるな。顔も見たくない。


2ヶ月後、旦那は退院して来た。

離婚は、娘たちを父なし子にしないためだけの理由で、とりあえず先延ばしした。

旦那はしばらくは断酒を頑張っていたようで、現在、会社に復職中だ。


しかし、私にとっては、いつもある種の恐怖、いつ彼が崩れるかもしれない不安を抱きながら生活を送らざるをえない。

いつもストレスを感じる。

彼の帰宅が遅いと、またあの恐怖がよみがえる。

怖い怖い怖い怖い怖い・・・・・・

私が早死にしたら、アイツのせいだ。

憎たらしい。

・・・・・・今度やったら、マジでぶっコロす。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アルコール依存症家族体験談の原稿、やっと合格


どうだ、ここまで書けば十分だろう。

原稿を印刷して、嫁さんに渡した。

“コロす”という表現が、ちょっとウチの人格を疑われるような・・・・・・

原稿から目を上げた嫁さんは、まんざらでもないような表情をし、そういった。

原稿のOKが、やっと出たようだ。

でも、本当にマジで『コロしたい』と、思ってたんでしょ

そうね

即答かよ!


・・・・・・ 断酒会・家族体験談ゴーストライター編 了 ・・・・・・

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